オンザコート3、その得点力をどう生かすか。タイ開幕2連戦を数字で読む
10月10日、11日にタイで行われたSAGA久光スプリングスとアリーザ愛知の開幕2連戦。久光が3–1、3–2で連勝した。
今季から外国籍選手の同時出場枠は3人に拡大。アジア枠1人と合わせて、最大4人が同時にコートに立てるようになった。
愛知は外国籍のアタッカー3人を両日とも先発起用。久光はラヴィンスカとスタルナヤを軸に、日本人選手を組み合わせた。得点、セッターとの組み合わせ、終盤の攻撃、サーブ時のブレイクを追うと、両チームの得点構成が見えてくる。
愛知の3人が106得点。セッターとの組み合わせにも変化
愛知の外国籍3選手は、2試合でクンズラー38点、リンジー38点、マルティネス30点。計106点は、チームがアタック、ブロック、サービスエースで挙げた158点の67.1%を占めた。
初戦はアジア枠のヌットサラ、2戦目は佐藤彩乃が先発セッターを務めた。その中で数字を伸ばしたのがクンズラーだ。
初戦、ヌットサラのトスからは27打数9得点、決定率33.3%。2戦目、佐藤のトスからは34打数16得点、47.1%だった。クンズラー自身の試合全体のアタック得点も、12点から21点へ増えている。
リンジーは、ヌットサラのトスからも、2日目の佐藤のトスからも36打数11得点。マルティネスは、初戦のヌットサラから27打数13得点、2日目の佐藤から16打数9得点だった。
セッターの変更だけで成績差を説明することはできないが、3人をひとまとめにすると見落とす変化がある。クンズラーには攻撃機会と得点が増え、マルティネスは少ない打数でも得点を重ねた。
久光の57得点。20点以降もラヴィンスカへ
久光のラヴィンスカは初戦31点、2戦目26点の計57点。アタックだけで118打数50得点を記録した。
終盤にも、その存在感が表れている。自チームが20点に達した後のアタックは、初戦11打数6得点、決定率54.5%。2戦目は9打数4得点、44.4%だった。2試合合計では20打数10得点、50.0%。ここでの集計は25点制のセットを対象とし、15点制の第5セットは含まない。
中島咲愛は2試合で38得点。全9セットに先発し、アタックは計96打数34得点だった。栄絵里香のトスに限ると、初戦34打数15得点、44.1%。2戦目は25打数12得点、48.0%を記録している。
一方、20点以降の中島は初戦13打数5得点、2戦目3打数0得点だった。同じ2試合でも、試合全体と終盤では攻撃機会や決定率が変わる。久光の得点源を読むときは、ラヴィンスカと中島の合計得点に加え、どの局面でボールが集まったかも見ておきたい。
荒木の8ブロックと、栄のサーブ時56.9%
2戦目の久光は、アタック決定率36.08%。愛知の36.98%とほぼ並び、サービスエースも双方5本だった。総得点も101点ずつ。その中で久光が上回ったのが、13対10のブロックだった。
荒木彩花は、その13本のうち8本を記録。アタックも16打数10得点、決定率62.5%で、サービスエースを合わせて19得点を挙げた。初戦の8得点から大きく数字を伸ばしている。
栄から荒木への攻撃も、初戦14打数3得点、21.4%から、2戦目は13打数7得点、53.8%へ上昇。ラヴィンスカのアタック得点が28点から22点へ減る一方で、荒木は4点から10点へ増えた。
さらに、栄にはサーブ時の数字がある。初戦は26回のサーブで久光が15得点、2戦目は25回で14得点。2試合合計のサーブ時ブレイク率は、51回中29得点の56.9%だった。久光全体の35.8%を大きく上回る。
栄自身のサービスエースは2試合で1本。それでも、栄がサーブを打つ局面ではチームが得点を重ねていた。この数字には、サーブから続くブロックや守備、切り返しの攻撃も含まれる。エースの本数に加えて見たい、久光の連勝を支えた数字だ。
日本人選手の起用も、得点構成を変える
久光の北窓絢音は、初戦の第4セット、2戦目の第4・第5セットに先発した。2試合のアタック得点は計17点。そのうち自チーム20点以降には、12打数4得点を記録している。
愛知では、初戦に出場しなかった三留汐利が2戦目の第3セットから先発し、アタック8得点。サーブ時にも13回中6回、チームが得点し、ブレイク率46.2%だった。
外国籍3枠が広げた選択肢の中で、日本人選手の起用も動いている。愛知の外国籍3選手による106得点、久光のラヴィンスカの終盤決定率50.0%、荒木の8ブロック、栄のサーブ時ブレイク率56.9%。得点源と、その得点を生む組み合わせを追うことが、新しいシーズンの見どころになりそうだ。