SVリーグがタイへ。ヌットサラとハッタヤ、バンコクで迎える特別な開幕戦
2026年10月10日。SVリーグは初めて、日本国外で公式戦を開催する。
舞台はタイ・バンコク。SAGA久光スプリングスとアリーザ愛知が、フアマーク・インドアスタジアムで2026-27シーズンの開幕を迎える。翌11日にも同カードが行われる。
だが、タイはSVリーグにとって単なる開催地ではない。日本のリーグには、これまでも多くのタイ選手がやってきた。タイ代表として世界で戦うスターたちは、日本でも結果を残している。
2024-25、2025-26のSVリーグ公式データを振り返ると、その存在感は数字にもはっきりと現れている。
タットダオ・ヌクジャン(PFU)――2季で904得点。そして、アジアの頂点へ
最も大きな数字を残したのは、PFUブルーキャッツ石川かほくのタットダオ・ヌクジャンだ。SVリーグ最初の2シーズンを合計すると、91試合、301セット、904得点、AT決定678本、ブロック199本。AT決定率は48.4%。ミドルブロッカーでありながら、2シーズンで900点を超えた。
特に2025-26シーズンは圧巻だった。AT打数633本に対して327本を決め、AT決定率51.7%、440得点、97ブロック。前年のAT決定率45.8%から約6ポイント上昇し、シーズンのベスト6にも選出された。
そして、その活躍は日本のリーグだけでは終わらなかった。2026年8月のアジア選手権。タイ代表として戦ったタットダオは、日本の前にも立ちはだかり、タイの優勝に大きく貢献した。タイはアジアの頂点に立ち、2028年ロサンゼルス五輪の出場権を獲得。
SVリーグで51.7%、440得点、97ブロック。そのシーズンを終えたあと、今度はタイ代表としてアジアの頂点へ。日本で結果を残し、タイ代表でも結果を残して、日本へ戻ってくる。2026-27シーズンも、タットダオはPFUでプレーする。
チャッチュオン568得点。ウィモンラットは1年で121点増
数字を残しているタイ選手は、タットダオだけではない。チャッチュオン・モクシーは2024-25シーズン、ヴィクトリーナ姫路で32試合、111セット、AT打数1,380本、AT決定510本、568得点。さらにレセプションも753本受けている。大量のレセプションを担当しながら1,000本を大きく超えるアタックを打ち、500点以上を稼いだ。
2025-26シーズンは出場機会が少なかったが、2026-27シーズンは埼玉上尾メディックスへ移籍する。「568点を取ったチャッチュオン」が、新天地でどんな数字を残すのか。注目したい。
ウィモンラット・タナパンも、この2年間で大きく数字を伸ばした。2024-25シーズンは150得点、40ブロック、AT決定率30.1%。それが2025-26シーズンには271得点、84ブロック、27サービスエース、AT決定率36.9%。得点は1年間で121点増。ブロックは40本から84本へ倍以上になった。
2シーズン合計では421得点、124ブロック。2026-27シーズンもアランマーレでプレーする。さらに今季は、埼玉上尾にリベロのジダーパー・ナーワノンも加入。2026-27シーズン、SVリーグでプレーするタイ選手は6人となる。そして2026-27シーズン、SVリーグとタイの関係は、もう一段深くなる。
そして10月10日、SVリーグがタイへ
2026-27シーズンの女子SVリーグは、バンコクから始まる。SAGA久光スプリングス対アリーザ愛知。しかも、タイで迎えるのはただの開幕戦ではない。SAGA久光は、2025-26シーズンのSVリーグ女王。昨季、日本の頂点に立ったチームが、新しいシーズンの最初の公式戦をタイで戦う。
そしてネットを挟んで向かい合う両チームには、タイを代表する2人がいる。まずは、タイバレーの歴史を作ってきたレジェンド。
ヌットサラ・トムコム(アリーザ愛知)――日本人選手もリスペクトするレジェンド
ヌットサラ・トムコム。タイのバレーボールを長く見てきたファンに、この選手の説明は必要ないだろう。そして、その存在をリスペクトしているのはタイの選手だけではない。日本のトップ選手たちからも敬意を集めてきた、アジアを代表するレジェンドセッターだ。
2025-26シーズン、ヌットサラはクインシーズ刈谷でSVリーグに出場した。19試合、47セット。だが、セッターであるヌットサラを得点やAT決定率で語っても、その価値はほとんど見えてこない。誰に、いつ、どんなボールを託すのか。アタッカーの力をどう引き出し、試合をどう組み立てるのか。その技術で長く世界のトップレベルを戦ってきた。
2026-27シーズンも、名称を変更したアリーザ愛知でプレーする。そして新しいシーズンの最初の相手は、昨季SVリーグ女王、SAGA久光。場所は日本ではない。タイ・バンコクだ。タイのレジェンドが、日本のチームの司令塔として母国でSVリーグの新シーズンを迎える。
そしてネットの向こうには、タイ代表でともに戦ってきたミドルブロッカーがいる。
ハッタヤ・バムルンスック(SAGA久光)――SV女王とともに、母国へ
ハッタヤ・バムルンスック。SAGA久光の一員として、SVリーグ最初の2シーズンを戦ってきた。2シーズン合計で79試合、193セット、414得点、95ブロック。AT決定率は39.7%。2024-25シーズンには305得点を記録した。
2025-26シーズンは出場セット数が55まで減ったが、それでも35ブロックを記録している。そして、その2025-26シーズン。SAGA久光はSVリーグの頂点に立った。昨季のSVリーグ女王。
2026年10月10日。ハッタヤは、その日本王者の一員として母国タイへ戻る。タイ代表のユニフォームではない。日本のSVリーグ王者のユニフォームを着て、バンコクのコートに立つ。
そしてネットの向こう側にいるのは、ヌットサラ・トムコム。
ヌットサラ vs ハッタヤ
日本のチームの司令塔として、母国で女王に挑むヌットサラ。昨季SVリーグ女王の一員として、母国へ戻るハッタヤ。2026-27シーズンのSVリーグは、この2人がタイ・バンコクで向かい合うところから始まる。
タットダオはSVリーグ最初の2シーズンで904得点。チャッチュオンは1シーズンで568得点。ウィモンラットは昨季271得点、84ブロック。ハッタヤも2シーズンで414得点。タイのスターたちは、すでに日本で多くの数字を残している。
そして今度は、SVリーグの方がタイへ行く。2026年10月10日・11日。フアマーク・インドアスタジアム。SAGA久光スプリングス対アリーザ愛知。SVリーグ史上初の海外公式戦。
その舞台で、タイのレジェンド、ヌットサラが日本のチームを率いる。ハッタヤは日本王者の一員として母国へ帰ってくる。タイのファンが日本のSVリーグを見る。日本のファンがSVで戦うタイのスターを見る。日本で積み上げてきた数字と、タイのバレーボールがつながる2日間になる。
そして2026-27シーズン。6人のタイ選手たちは、SVリーグでどんな新しい数字を残すのか。JVDBでは、その一つひとつを追いかけていく。