守ってつかんだファイナル――中島咲愛、最後に何が変わった?
2025-26シーズン、SAGA久光スプリングスの中島咲愛は、シーズン終盤に存在感を大きくした。
レギュラーシーズンからすべての試合に出続けたわけではない。
それでもプレーオフに入ると全5試合に出場。そして最後の大阪マーヴェラスとのファイナルでは、攻撃でも大きな数字を残した。
では、何が変わったのか。
JVDBの試合別データを追っていくと、最初に目につくのはアタックではない。
サーブレシーブだった。
レギュラーシーズンは69セット、プレーオフは19セット
中島は2025-26シーズン、レギュラーシーズンでは28試合69セットに出場した。そしてプレーオフでは全5試合、19セットに出場。短期決戦に入って、コートに立つ時間が増えた。その中で大きく変化したのがサーブレシーブ成功率だ。レギュラーシーズンは351受数、成功率45.6%。プレーオフでは133受数、成功率53.0%。約7.4ポイント上昇した。プレーオフだけの数字ではある。それでも、相手からサーブを集められるアウトサイドヒッターにとって、53.0%という数字を残しながらコートに立ち続けたことは興味深い。中島のプレーオフは、「突然たくさん決めるようになった」ことから始まったわけではなかった。まず、サーブレシーブで安定した数字を残した。
PFUとの準決勝、アタックでは苦しんだ
ただし、プレーオフに入ってすべてが良くなったわけではない。PFUブルーキャッツ石川かほくとの準決勝では、アタック決定率が26.9%、24.0%、15.8%。試合を追うごとに、むしろ数字は下がった。これだけを見ると、「プレーオフに入って中島の攻撃が一気に良くなった」という説明はできない。それでも出場機会は続いた。サーブレシーブを担いながらコートに残り、チームはPFUとの3試合を勝ち抜いてファイナルへ進んだ。そして、ここで数字が一変する。
ファイナル第1戦、45本打って21本決めた
相手は大阪マーヴェラス。ファイナル第1戦で中島は、45打数21得点、アタック決定率46.7%を記録した。準決勝最終戦の15.8%から、46.7%へ。しかも45本という打数である。決定率が高かっただけではなく、これだけの攻撃を任されながら21本を決めた。続く第2戦でも、27打数12得点、決定率44.4%。サーブレシーブ成功率も47.4%だった。ファイナル2試合を合わせると、72打数33得点。アタック決定率は45.8%になる。シーズン全体の37.2%と比べても、最後の2試合では高い決定率を残した。
何が変わった?
中島はプレーオフに入って、最初から攻撃が絶好調だったわけではない。むしろ準決勝では苦しんだ。それでもプレーオフ全体では、サーブレシーブ成功率をレギュラーシーズンの45.6%から53.0%へ上げた。そしてコートに立ち続けた先で、最後のファイナル2試合に45.8%というアタック決定率を残した。つまり、JVDBの数字から見える変化は、「攻撃が良くなったから出続けた」だけではない。守備で安定した数字を残しながら出場機会をつかみ、その中で最後に攻撃の数字まで大きく伸ばした。そんなシーズン終盤だった。
2026-27シーズンは、ここから始まる
2025-26シーズン全体では、中島は33試合88セットに出場し、281得点。アタックは709打数264得点、決定率37.2%。サーブレシーブ成功率は47.6%だった。そして最後のファイナルでは、72本打って33本を決めた。この数字を一時的な好調で終わらせるのか。それとも2026-27シーズンは、シーズンを通して攻守の両方でコートに立つ選手になるのか。守って、最後は打って。中島咲愛の新しいシーズンは、あのファイナルの続きから始まる。