オンザコート3に負けるな!男子開幕、いま見たい日本人選手10人
世界の強打者が集まっても、主役の座は譲れない。
外国籍選手を同時に3人(アジア特別枠を含めると4人)起用できる、いわゆる「オンザコート3」が始まる2026-27シーズン。海外から戻る選手、新たにSVへ挑む選手、長くリーグを支えてきた選手。それぞれの挑戦を、これまでの数字とともに紹介したい。
※昨季の成績は、プレーオフを含むシーズン計。
リーグの顔――西田有志と松本慶彦
西田有志|大阪ブルテオン
738得点。リーグの顔が、コートでも真ん中に
高橋藍が海外へ渡った今季、リーグのキービジュアルで中央に立つ西田有志。SVリーグの魅力を伝える存在として、そのプレーに期待が集まる。
昨季は49試合168セットで738得点。アタック603得点、ブロック64得点、サービスエース71本と、三つの得点手段を持つ。アタック決定率50.3%に加え、サーブ効果率14.3%。相手のサーブを受けてからの攻撃でも、自らサーブを打つ場面でも、得点を生み出せる選手だ。
世界の強打者が増える今季も、西田がサービスゾーンへ向かえば期待が膨らむ。豪快な一本が、会場ごと試合を動かしていく。
松本慶彦|信州松本トライデンツ
8セットから65セットへ。45歳のレジェンドは今も戦力
松本慶彦の昨季を振り返るなら、年齢とともに出場セット数を見たい。堺での2024-25シーズンは8セット。故郷・長野へ移った昨季は65セットへ増え、アタック61得点、ブロック20得点、サービスエース4本の計85得点を挙げた。
45歳で迎える今季は、チーム名が信州松本トライデンツへ変わり、41歳のデイビッド・スミスも加入する。日本とアメリカで長く第一線を歩んできたミドルが、同じチームでプレーする楽しみもある。
故郷・長野へ戻って出番を増やした松本が、今季はどんな相手に立ちはだかるか。レジェンドの現在地は、今年もコートの中にある。
帰国組――高橋慶帆と備一真
高橋慶帆|ジェイテクトSTINGS愛知
大学時代の191得点から、どこまで進んだか
高橋慶帆には、すでにジェイテクトで戦った数字がある。法政大在学中の2023-24シーズンは22試合61セットで191得点。アタック390打数から178得点、決定率45.6%を記録した。
特に目を引くのがバックアタックだ。155打数で76得点、決定率49.0%。アタック得点の約43%を後衛から挙げており、当時から前衛だけにとどまらない得点源だった。
フランスでのプレーを経て戻った今季、ボワイエらとOPで出場機会を争うのか、あるいはポジション変更というチャレンジをするのか。かつて国内で残した45.6%と191得点は、帰国後のプレーを見る一つの基準になる。以前のジェイテクト時代を知るファンには、その変化も楽しみだ。
備一真|サントリーサンバーズ大阪
長野で受け続けた630本。今度は優勝争いの中へ
帰国した備一真を迎えるサントリー。小川智大が海外へ移籍したチームで、国内でも実績を積んできたリベロが新たな挑戦を始める。
VC長野時代の2022-23シーズンは、サーブレシーブ496受数で成功率72.2%。翌季も456本を受け、69.3%を記録した。海外へ渡る前の2024-25シーズンには44試合160セットで630本を受け、成功率52.6%。3季を通じ、継続してレセプションを担ってきた。
今季は優勝を争うサントリーへ。強力なブロックと連係し、拾ったボールを豪華な攻撃陣につなぐ。これまで積み上げてきた守備力が、新しいチームでどんな勝利につながるかを見たい。
オンザコート3――市川健太と後藤陸翔
市川健太|ウルフドッグス名古屋
受数は2倍以上に。役割を広げた先に世界の名手
市川健太は昨季、名古屋の守備で役割を広げた。2024-25シーズンのサーブレシーブ受数225本に対し、昨季は550本。2倍以上に増え、成功率も40.2%から46.5%へ上がった。出場セット数も154から185へ増えている。
その市川の前に、今季はジェニア・グレベニコフが加わる。東京・パリ五輪金メダリストで、東京ではベストリベロに輝いた世界屈指のリベロと、同じチームで出場機会を争うことになった。
任される場面を増やしてきたところで迎える、大きな競争。オンザコート3による変化を、最も身近に感じる日本人選手の一人だろう。誰がどの場面でコートに入るか、その起用からも目が離せない。
後藤陸翔|東京グレートベアーズ
187センチでブロック48得点。強打者にネット際でも挑む
後藤陸翔の昨季は459得点。アタック393得点に加え、ブロック48得点、サービスエース18本を記録した。バックアタックも97打数49得点、決定率50.5%と、後衛でも攻撃に加わる。
注目したいのは、187センチのアウトサイドヒッターが積み上げたブロックだ。2024-25シーズンの47本に続き、昨季は48本。2季続けてネット際でも得点を生み、日本B代表として臨んだアジア競技大会でも活躍した。
外国籍アタッカーとの対戦が増える今季、自ら打って決めるだけでなく、相手の強打を止める場面も増やしたい。攻撃とブロックの両方で、オンザコート3に挑む。
新規参戦――山田滉太と迫田郭志
山田滉太|北海道イエロースターズ
175センチ、バックアタック決定率64.1%
山田滉太の魅力は、175センチの体から生まれる得点力だ。昨季のVリーグでは30試合87セットで327得点。アタックは516打数272得点、決定率52.7%だった。
中でもバックアタックは92打数59得点、決定率64.1%。サーブでも37本のエースを奪い、効果率10.6%を記録した。サーブレシーブも437本を受け、成功率60.8%。攻撃だけに専念して残した数字ではない。
今季はSVの高いブロックと強いサーブが待つ。その中で、受けてから再び助走へ入り、後衛からも決める山田のプレーがどこまで通用するか。新規参戦チームの挑戦を、自らの得点で引っ張りたい。
迫田郭志|フラーゴラッド鹿児島
531得点と508受数。地元の挑戦を攻守で担う
昨季の迫田郭志は、鹿児島で28試合108セットに出場し531得点。アタック967打数から472得点を挙げ、決定率48.8%。バックアタックは248打数141得点、56.9%を記録した。
その一方で、サーブレシーブも508本を受け、成功率62.8%。多くのトスを打ちながら、レセプションでもチームを支えたシーズンだった。
地元・鹿児島と迎えるSV挑戦。外国籍アタッカーに攻撃を託す場面が増えても、迫田自身が得点できれば相手の守備を分散させられる。受けて、打つ。その両方を担ってきた経験を、新しい舞台へ持ち込む。
新人――牧大晃と山元快太
牧大晃|東レアローズ静岡
210センチの可能性を、昨季の62得点から広げたい
牧大晃は昨季、すでにSVのコートを経験した。70セットでアタック173打数62得点、決定率35.8%。バックアタックでも36打数から13得点を挙げている。
210センチという高さへの期待は大きい。その高さを、速いトスやネットから離れたボールでも得点に結びつけられるか。昨季の数字があるからこそ、出番が増えたときの決定率や、攻撃を任される本数の変化を追う楽しみもある。
大学時代にOPからOHへ転向した牧は、昨季はサーブレシーブも113本経験。レシーブもパイプ攻撃も器用にこなす210cmの新シーズンを、早く見てみたい。
山元快太|広島サンダーズ
外国籍選手との競争、その隣には新井雄大
190センチのアウトサイドヒッター、山元快太。日体大で主将を務めた新人を待つのは、アジアの強豪・イラン代表2人も加わった広島での出場争いだ。
オンザコート3に、イラン代表にも適用されるアジア特別枠を加えた起用も可能になる中、日本人アタッカーには何を武器にコートへ入るかが問われる。山元の身近には、B代表でも主将を務めた新井雄大がいる。
新井は昨季、アタック421得点、ブロック30得点、サービスエース26本の計477得点。サーブレシーブも785本を受けた。得点とレセプションの両方を担う先輩は、山元にとって格好のお手本になる。
その背中を追いながら、まずは一つの出番をつかみたい。これから積み上がる山元自身の数字が、どんなシーズンを描くのか楽しみだ。