新加入F鹿児島が、わずか2戦目でSV初勝利!データで探る勝因は
SVリーグ初勝利は、参入2戦目で訪れた。
10月25日、フラーゴラッド鹿児島が日本製鉄堺ブレイザーズに3―2で勝利した。セットスコアは27―25、23―25、21―25、27―25、20―18。F鹿児島が取った三つのセットは、すべてデュースだった。
前日のGame1は、日鉄堺BZが3―0で勝利。しかし、翌日のF鹿児島はセットカウント1―2から第4セットを取り返し、第5セットも最後は3連続得点。わずか2戦目で、SVリーグの勝利をつかんだ。
5セットの総得点は118点ずつ。アタック得点もF鹿児島71点、日鉄堺BZ72点とほぼ並んだ。一方、ブロック得点はF鹿児島5本、日鉄堺BZ19本。その差を越えて勝利したF鹿児島には、サーブ、攻撃、守備、それぞれに数字で示せる働きがあった。
サービスエース8本。二人のサーブから22得点
まず目を引くのが、F鹿児島のサービスエース8本だ。日鉄堺BZの1本を上回り、サーブ効果率も12.6%対7.1%。前日のF鹿児島は7.5%だったが、Game2では12.6%へ伸ばした。
サーブの働きは、エースの本数だけではない。
ブレイクを選手別に集計すると、エルサーとティーニスマーが、それぞれ11得点を生んでいた。エルサーは23回のうち11回、ティーニスマーは24回のうち11回。二人合わせて47回のサーブ機会から22得点、得点率は46.8%だった。
F鹿児島が試合全体で挙げたブレイクは41回。その半数以上を、この二人のサーブから取っている。
エルサーはサービスエース2本に加え、サーブ効果10本。ティーニスマーは24本のサーブで効果14本を記録した。直接得点するサーブと、相手の攻撃を崩して次の得点につなげるサーブ。その両方が、F鹿児島の得点源になった。
山田大悟の3本目が、第5セットへの扉を開いた
サービスエース最多は山田大悟。13本のサーブから3本を記録した。
その3本目が決まったのは、試合を左右する場面だった。
セットカウント1―2で迎えた第4セット。F鹿児島は23―20から追いつかれたものの、24―24ではエルサーがアタックを決め、25―24と再びセットポイントを握った。
25―25となってからは、バイアムのアタックで26―25。そして山田のサービスエースで27―25。最後の1点をサーブで取り、試合を第5セットへ持ち込んだ。
このセット、F鹿児島は自チームのサーブから始まった27ラリーのうち13ラリーを取った。ブレイク率は48.1%。サーブ権を持った場面で、ほぼ2回に1回は得点した計算になる。
山田はアタックでも7得点を加え、計10得点。エース3本という数字の中には、フルセットへつなぐセット最後の1本があった。
ティーニスマーは決定率76.2%。最終セットでも5本を決めた
攻撃で際立ったのは、ティーニスマーだった。
21本のアタックから16得点。決定率は76.2%。ブロックとサービスエースも加え、計18得点を挙げた。
セット別のアタック得点を見ると、第3セットと第5セットで5得点ずつ。特に、決着の第5セットでも5本を決めたことが大きい。
最後の競り合いでも、その決定力が生きた。18―18で迎えたラリー、日鉄堺BZの攻撃を小森郁己が拾い、笠利真吾のアタックも交えた攻防から、最後はティーニスマーが決めた。F鹿児島が19―18とし、再びマッチポイントを握った一打だった。
高いアタック決定率に、サーブからの11得点。ティーニスマーは、自分たちがサーブを打つ場面でも、攻撃を託される場面でも、初勝利を支えた。
53本を託されたバイアム。第4セット8得点、最後も決めた
最多得点は、バイアムの25点だった。
53本のアタックを打ち、25本を得点にした。チーム全体のアタック157本のうち、33.8%をバイアムが担ったことになる。約3本に1本を託された攻撃の中心だった。
第1セットに7得点、第2セットに6得点。そして、取り返した第4セットにはアタックだけで8得点を挙げた。
第4セットの25―25から26点目を取り、山田のサービスエースへつないだのもバイアムだった。
第5セットでは、F鹿児島から見て17―18と、日鉄堺BZにマッチポイントを握られた場面でアタックを決めた。18―18とし、試合をつなぐ。
続く2ラリーは、バイアムのサーブからF鹿児島が連続得点した。ティーニスマーが19点目を決め、最後はバイアム自身がアタックを決めて20―18。17―18からの3連続得点を、バイアム、ティーニスマー、バイアムのアタックで取り切った。
最多得点だけでなく、第4セットの終盤、相手のマッチポイント、そして試合最後の1点。バイアムは、勝利につながる場面で得点を重ねた。
迫田が序盤を支え、笠利が第4・第5セットで先発
日本人アタッカーの働きにも目を向けたい。
迫田郭志はアタック9得点、ブロック1得点の計10得点。アタック得点の内訳は第1セット6点、第2セット3点で、特に最初のセットを取る攻撃を支えた。
サーブレシーブも14本を受け、成功率46.4%。得点とレセプションの両方を担った。
第4・第5セットで先発した笠利真吾は、アタック4得点とサービスエース1本。第4セットではアタック3本を決め、セットを取り返す攻撃に加わった。
さらに、笠利はディグ7本。最後のラリーでもブロックへの対応を重ね、最後はトスを上げてバイアムの決勝打につないだ。
試合を終わらせたのはバイアムのアタックだったが、そのボールを託したのは笠利だった。
谷口渉の21ディグ。酒井啓輔も11本を拾った
長いラリーを攻撃につなげた選手たちも、初勝利の主役だ。
リベロの谷口渉は、チーム最多の35本のサーブレシーブを受け、成功率50.0%。ディグもチーム最多の21本を記録した。
セッターの酒井啓輔も11ディグ。トスを上げるだけでなく、自ら拾ってボールをつないだ。エルサーも10ディグを記録し、攻撃、サーブに加えて守備でも貢献した。
決着した第5セットでは、F鹿児島は相手のサーブから始まった19ラリーのうち15ラリーを取った。サイドアウト率は78.9%。相手にサーブ権が渡っても、約8割の確率で得点を取り返していた。
17―18で迎えた相手のマッチポイントでも、バイアムのアタックでサイドアウト。その後、自分たちのサーブから2連続得点した。
谷口や酒井らが拾い、笠利やティーニスマーも攻撃をつなぎ、最後はバイアムが決める。サイドアウトで試合をつなぎ、ブレイクで勝ち切る形を、最終盤の3ラリーで実現した。
三つのデュースセットを取った勝利には、25得点のバイアムだけでなく、決定率76.2%のティーニスマー、サービスエース3本の山田、序盤を支えた迫田、終盤で攻守をつないだ笠利、そして谷口と酒井の守備があった。
フラーゴラッド鹿児島は、それぞれの持ち味を得点につなげ、日本製鉄堺ブレイザーズとの接戦を制し、参入2戦目でSVリーグ初勝利をつかんだ。