いよいよタイで開幕!データで注目する、SAGA久光とA愛知の6人
10月10日、11日、バンコクでSAGA久光スプリングスとアリーザ愛知が対戦する。SVリーグ初のタイ公式戦で幕を開ける新シーズン。今回は昨季のデータから、両チームの日本人選手を3人ずつピックアップした。得点だけでは見えてこない、開幕戦の注目ポイントを紹介する。
SAGA久光① 北窓 絢音――打って、受けて、サーブでも攻める
昨季663得点、アタック打数1,611本。さらにサーブレシーブも1,577本を受けた。北窓の存在感は、攻撃と守備の両方でボールに関わる量に表れている。
サービスエース30本はリーグ7位、久光では最多。相手のサーブを受けてから攻撃へ入り、自分のサーブでも得点を狙う。ローテーションを通じて見どころがある選手だ。
開幕戦では、レシーブした直後の攻撃への入り方に注目したい。そして北窓がサービスラインへ下がったら、今度は愛知のレシーブ陣との勝負。攻守の仕事量に、サーブの得点力も加わる。
SAGA久光② 平山 詩嫣――中央から攻撃の選択肢を広げる
平山は昨季163セットで326得点。アタックは611打数255得点、決定率41.7%だった。ブロック51得点、サービスエース20本と、中央の攻撃以外でも数字を残している。
アタック決定率は久光のチーム内3位。セッター別では、栄絵里香担当時に42.5%を記録した。誰がトスを上げるかによって、平山の攻撃がどう変わるかも観戦のポイントになる。
中央の攻撃が決まれば、相手ブロッカーは平山を意識する。そのときサイドのアタッカーへのマークはどう動くか。平山自身の得点とともに、久光の攻撃全体に生まれる変化も追いかけたい。
SAGA久光③ 中島 咲愛――ポジション争いの中で、守備とサーブに注目
中島は昨季88セットで281得点。アタック決定率37.2%、サーブレシーブ成功率47.6%を記録した。今季からコート上で同時に起用できる外国籍選手は最大4人(うちアジア特別枠1人)となり、OHのポジション争いもさらに熾烈になる。中島が先発するとは限らないが、出場した際には、レシーブから攻撃へつなぐ働きに注目したい。
さらに目を引くのが、サーブ時のブレイク率46.1%。久光のチーム平均39.8%を6.3ポイント上回った。中島のサーブから始まるラリーでは、チームが高い割合で得点していたことになる。
サービスエースの本数だけでは見えない数字だ。先発でも途中出場でも、中島にサーブの機会が回ってきたら、相手の返球に久光がどうブロックと守備を組み合わせるかを追いたい。限られた出場機会でも、サーブから流れを変えられるかが見どころになる。
アリーザ愛知① 鴫原 ひなた――攻守の中心、終盤にも託される攻撃
今年、日本代表でも活躍した鴫原ひなた。昨季は619得点、アタック打数1,515本を記録した。サーブレシーブも1,073本を受け、成功率49.9%だった。久光の北窓と同じく、攻撃と守備の両方で大きな仕事量を担っている。
20点以降のアタック得点は125点。愛知のチーム合計834点の15.0%を占めた。セット終盤、1点の重みが増す場面で、鴫原にどんなボールが集まるかに注目したい。
サーブ時のブレイク率も42.7%で、チーム平均38.2%を上回る。最大8連続ポイントも記録した。終盤のスパイクと、自分のサーブからの連続得点。愛知の得点を動かす場面で追いかけたい選手だ。
アリーザ愛知② 横田 紗椰香――ブロックとサーブ、得点を奪う二つの武器
横田は昨季98ブロック、1セット平均0.61本。この1セット当たりのブロック本数は愛知のチーム内1位だった。サービスエース32本もチーム最多で、リーグ5位に入っている。
攻撃で決めるだけでなく、相手のスパイクを止め、自分のサーブでも得点する。横田を見るなら、その二つの武器を押さえておきたい。
ネット際では、久光のどの攻撃に反応し、どこへ手を出すか。サービスラインでは、誰を狙い、どんな返球を引き出すか。横田のプレーを追うと、愛知が相手の攻撃を崩して得点へつなげる過程が見えてくる。
アリーザ愛知③ 佐藤 彩乃――トスで支え、サーブで流れをつかむ
今季、キャプテンを務めるセッターの佐藤彩乃は、トスに加えてサーブにも注目したい。昨季のサーブ時ブレイク率は45.1%。チーム平均38.2%を6.9ポイント上回り、チーム2位だった。最大6連続ポイントも記録している。
セッターとしても興味深い数字がある。佐藤担当時のアタック決定率は、鴫原が36.9%で自身のシーズン全体36.4%を上回り、笠井季璃も35.4%で全体34.0%を上回った。
起用された場面や対戦相手が異なるため、佐藤のトスだけによる効果とは言い切れない。それでも、アタッカーの力を引き出す働きを見る手掛かりになる。誰へ託すかという選択と、自分のサーブから連続得点を生み出せるか。その両方を見たいセッターだ。
タイで迎える開幕の2試合。スパイクを決めた選手に加えて、その前に受けた選手、中央で相手を引きつけた選手、サーブから得点の流れをつくった選手にも目を向けたい。6人の数字を頭に入れて見ると、一つひとつのラリーがもっと面白くなる。